お庭 その1
今でこそ、日本でもちょっとした庭園ブームであるが、当時、私がカトリーヌの庭を訪ねた頃にそういう空気はまだなかったように思う。
しかも私自身がとても若かった。
都会暮らしの楽しさに夢中で、庭にまで気を回す余裕はまるでなかった年齢だ。
その家はノルマンディの港町、ディエップから二十分ほどのところ、人口五十人にも満たないのではないかという小さな村Mにありました。
もともとはプレスビテールだったときいたが、この「プレスビテール」とは、宗教単位である教区ごとに置かれた司祭が居住する館のことです。